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第3展示室  【ガラス絵の部屋・その2】
この展示室は最近描いた作品を中心に構成されています。
すべてガラス絵の技法ですが、新たに試みた描き方で完成させた作品も多く含まれています。2006年10月に東京・恵比寿の「ギャラリーまぁる」で開いた「桃天使さん刊行記念展」に並べた作品たちです。『桃天使さん』についてはHPの「絵本など」に紹介記事を載せました。そちらもご覧ください。
それぞれの作品につけたキャプションは相変わらずいい加減な思いつきで書きましたが、読んでみてくださいね。
 
 
 

「オアハカの少年」
メキシコ南部にあるオアハカ州の州都オアハカは僕の第2の魂(そんなものがあれば)のふるさとのようなところです。1995年にはじめて画家のスズキコージたちと旅した思い出は生涯消え去ることはないでしょう。この絵はそのときに出会った先住民の血をひく少年のイメージで描きました。黒い髪と大きく見開かれた黒い瞳が印象的でした。

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「すこし泣いてる桃天使さん」
こんなに明るいピンクは初めてつかいました。なんだかやさしそうな少女ですね。頬をつたうかすかな涙はだれのせいでしょう。ガラス絵の特徴である透明感のある色調が、かるく浮遊するような少女の純粋な情感を表現しています・・・ってこういうことは作者自身が語ることではありません。でも、誰も言ってくれないので自分で記しておきましょう。

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「パピーナ・ペピーノ」
パピーナにはナポリの裏町の安宿で会いました。ちょっと頭のよわい男の子で、いつも女の子のような服装で遊んでいました。だから、パピーナという女性名とペピーノという男性名の両方をつけられているのでしょう。パピーナのパパはサーカスのピエロを職業にしているピエロット・ピエルロという名前のすごく陽気なナポリタンで、冗談から生まれて冗談のなかに死んでゆくような気がしました。すごくなつかしい親子です。でもさ、本当のことを言えば、ボクはナポリには行ったことがなかったんだよね。スイマセン。

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「フリーダの幼い友だち」
フリーダはもちろんフリーダ・カーロのこと。メキシコ大好き人間のボクはフリーダの家にも行きました。こんなに小さなベッドで寝ていたのかとびっくりしたのです。フリーダの夫であったディエゴ・リベラが巨人だったこともあったのでなおさらでした。フリーダの幼い友だちはただの想像の人ですが、もしかしたら幼い頃のフリーダ自身かも知れません。

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「ポワンポワン」
この絵が描けたときはとても嬉しかったです。 いままでやったことのない技法で描いたのですが、自分で予想してなかった絵になったのです。子供のころからこういう形のないようなものに目鼻をつけるのが大好きでした。ポワンポワンとオトボケしながら老いて行く自分も想像できるけふこの頃なり。

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「ムラサキの花の人」
今回のギャラリーの絵のいくつかに共通する技法はデカルコマニーという、シュルレアリストたちが遊びながらやっていたような技法です。ボクが尊敬する瀧口修造さんの詩と絵の世界に憧れて試みたのですが伝わったでしょうか。ムラサキの花や背景の青など、抽象的な表現もボクの愛するところです。

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「モモはここにいるよ」
我が家の娘っこのモモちゃんを描きました。モモちゃんは三毛姫ですが、このモモちゃんは黄桃っぽいモモちゃん。そのわけは、とくにございませんが、見ているとモモちゃんその人に見えてきます。モモちゃんなくしては我が家の平穏はありえないのでありまして、モモちゃんありがとうの像であります。

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「モモハナヒメ」
この絵も新しい技法で描きました。ガラス絵の常識をひっくりかえしてみたのです。いつも、何にもとらわれないで描こうと思ってガラス絵を長いこと描いてきたのですが、裏ばかりか表にも彩色するという単純なことを今回はじめてやってみたのです。おもしろかった!ガラス絵の表現はまだまだ未知数だと思いました。

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「森の中のこども」
この作品は裏からのみのガラス絵ですが、パソコンの画面では違いが分かりにくいかもしれませんね。このこどもの表情にはちょっと魅かれます、なんてまた自画自賛といわれそうですね。むしろ自我爺さんの方が正しいという説もあります。最近、爺さんは森の中で眠ってないなあ。

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「窓辺の桃天使さん」
ははは、可愛いですね。窓辺のカーテンの奥でこちらを見つめているこの子は誰でしょうか?「それは私です」とみなさんに言ってほしいワタシです。本物はちょっと立体的に見えるんですよ。できあがって嬉しい作品でした。

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「牛は夜振り返る」
このタイトルの絵は15年ほど前にも描いたことがあります。 昔むかし、まだボクが若かりし頃、山梨の牧場で何度かボランティアで働いたことがありました。牛舎の掃除(つまり牛のうんち掃除)、搾乳、牧草刈り、肥料蒔き、その他牛の世話焼き全般いろいろやりました。仕事は大変だったけどすごく楽しかったなあ。毎日が「みどりのそよ風いい日だなあ〜」の歌通りで健やかに青春していたんです。その頃、牛はきまって夜になると振り返る、ということを知りました。なんでなんだろうね。すっと振り返ってじっと何かを見ているんです。牛ではないボクも、ときどき夜振り返ります。

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「静かなメキシコの人」
ちいさな絵ですがお気に入りの絵です。メキシコや中南米には歴史的に見ても多様な民族構成が見られます。この静かなメキシコ人はかなり混血の進んだ人のようですね。でも魂は先住民のインディヘナとともにあると思いたいです。

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「百済の桃の子供」
百済はボクのルーツにつながる古代国家です。父の出自はむしろ新羅ですが、百済文化の月的・女性的やさしさが大好きです。この子はべつに百済の子をイメージして描いたのではありませんが、額縁におさめられた顔を見てたら「アンニョンハセヨ!」と挨拶したくなりました。

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「帽子をかぶったポワポワ」
この子ポワポワこそ即興の申し子かも。ガラスの裏と表で太い絵筆に水をたっぷり含ませた絵の具をたらしたり飛ばしたりしながら模様をつくって遊んでいたら、ちらっと顔が見えたので目と鼻と口をつけて帽子をかぶせてみました。こういうのが大好きなオッサンですが、いまさら改心できるわけもなく、このままで行くことを許しておくんなまし!

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「夜の桃天使さん」
桃天使さんは明るく軽やかなばかりではありません。当たり前だけど、ちょっとした闇の部分、夜の世界をも生きています。この桃天使さんは夜の静寂(しじま)に佇んで何を思っているのだろう。正直言って、作者のボクにも分かりかねるのです。絵を描いているとそういうことばかりです。つまるところ、作者がすべて把握してる絵ほど面白くないものはないと思います。

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© Minami KuuKuu.